2005年2月14日

ステージライト

天上のライトが体を灼く。お客さんの歓声が遠い耳鳴りように響き、
視界がグラグラと揺れている。熱で浮かれたようにうまく考えることができない。
ただ私の目の前で踊る先輩たちの躯だけが妙に生々しく目に映る。

いつもは仕事場に来ると、私はアレでみんなの相手をさせられる。
まるで奪い合うかのように寄ってたかって、みんな私のアレを触ったりする。
ただの好奇心から、自分が気持ち良くなるため、ストレス解消に。
理由はいろいろだけど、私の気持ちはおかまいなしってことだけはみんな同じ。
ずっと、どうして私ばかりこんな目に合うんだろうって思っていた。


なのに今日は朝から誰も何もしようとしなかった。
いつもならもう3回ぐらい誰かの相手をしている時間なのに、今日はまだ
1回も出していない。みんな昨日までのそんなことはなかったかのように
まるで今までもずっとそうだったかのように、普通の仲間として接してくれている。
それはとても嬉しいはずなのに、今日の私は頭の中がなんかおかしい。

みんなの汗の臭いが妙に気になる。クサいっていうんじゃなくて、なんだろう、
それで頭がいっぱいになってうまくものが考えられなくなる感じ。
汗ばんだ肌に髪の毛が貼りついている様とか、衣装から見える太モモとか、
そんな所ばかりが妙に生々しく映るのだ。着替えの時とか、
アレが痛いくらい固くなってしまい、見られるのが恥かしくって皆に
背を向けてしゃがみ込んでしまった。

それに楽屋の長椅子で隣りに座ったれいなの二の腕が私の二の腕に触れた時、
神経がそこにばっかり集中してしまった。そしてその感触をもっともっと
味わっていたいと思った。二の腕だけじゃなくて、もっとれいなの
いろんなところを、私のいろんなところで。
れいなに抱き付いて彼女に全身の肌を密着させて、その柔らかさを隅々まで
感じたいと思ってしまう。そしてれいなにも私の体を感じて欲しい。
互いの太モモの感触を、脚をピッタリとからめて、それをゆっくりと動かして、
感じ合いたい。そしてお互いの胸が潰れるくらいギュウッて密着したい…。

同じ女の子なのに、こんな風に思うなんて。こんなのきっとおかしい。
でも私はこんな子じゃなかった。
以前は、本当の私は こんないやらしい子じゃなかった。
私は毎日毎日みんなにアレを触られて、
いやらしい子にされてしまったんだ。


※  ※  ※  ※  ※  ※  ※  ※  ※


回想:藤本美貴)

藤本さんはとてもいじわるだ。

藤本さんはアレをする時、
「亀井ちゃん、お手洗い行こうかー?」
と笑顔で呼びかける。でもその笑顔はすごくいじわるな感じがして、
私が少しでも躊躇すると、とたんに怖い顔に変わりそうだと思わせる
何かが滲み出ていた。藤本さんは私が逆らえないのを知ってて、
そういう言い方をするのだ。

トイレに行ったら、藤本さんは個室に私を押し込むように入れて、
後から自分も入ってくる。そして私は藤本さんが後ろ手で
ドアの鍵を閉める音を、判決を言い渡される罪人のような気分で聞く。
そして、いつも私は有罪だった。

「亀井ちゃん、さっき私の脚見てたでしょう?」
壁に押し付けられて、私は藤本さんに訊かれる。
確かに今日の衣装はスカート丈が短くて、藤本さんのスラリとした脚が
そこからのぞいていた。でも、それを綺麗だなって思って見たことは
あっても、藤本さんが言うようないやらしい意味で見たことはない。
そもそも同じ女の子なんだし、見てたとしてもそんな風に悪いこと
みたいに言われることじゃないと思う。でも、こんな風に訊かれたら、
きっと誰だってうまく言えなくなってしまう。
「見てません」って必死で頭を振って答えると、藤本さんは私の両手を
クロスさせて右手一本で頭の上で抑え付け、
自分の右足の太モモを私の脚の間に滑り込ませて来た。
「いやらしい目で見てたんじゃないなら我慢できるよねぇ?」
そう言って藤本さんはゆっくり腰を上下させながら、
自分の太モモで私の太モモを撫で始めた。

藤本さんの脚の滑らかさが伝わって来て、私は今日見た短い裾から
のぞいたその長い脚を思い出してしまう。藤本さんはさらに脚をからめて
張りのあるふくらはぎで私のヒザの裏やふくらはぎを擦り立て、
腰全体を密着させてくる。藤本さんの腰が大きくうねるたびに
私の下半身にもなんとも言えない心地良さが広がっていった。
私はなんとか我慢しなきゃって思う。
藤本さんの言ってる理屈はメチャクチャだけど、ここで我慢しないと
またいつものようにされるから。でも下半身全体に藤本さんの脚の
滑らかな感触を伝えられるたびに、私の肌はその感触を貪欲に求めて
神経を研ぎ澄ませてしまう。そして私の気持ちを裏切って、
アレはどんどん大きさを増してゆくのだ。
私はそんな自分の体が恥かしくて泣きそうになった。

1・2分も続けられると、私のアレはすっかり大きくなってしまった。
隠そうにも、もはやそれは恥知らずにもスカートを持ち上げているのだ。
それを藤本さんに見られているかと思うと消えてしまいたい気持ちになった。
きっと、こんなモノを見たら藤本さんは私が四六時中いやらしいことを
考えているような子だと思うに違いない。これを見られた後じゃ、
私がとりすまして何を言ったって無駄なんだ。
だってだって、こうなった時、確かに私はコレに支配されているのだから。
大きくなったアレを太モモで擦り上げられると、こらえきれない快感が
背筋に走り、無意識のうちにさらなる感触を求めて腰が藤本さんの脚を
追ってしまう。いつしか私と藤本さんは互いに腰を密着させて、
クネクネとすり合わせるような動きをとっていた。
壁に抑えつけられた腕から力が抜ける。もう仕方がない。
だってこんなになっちゃったもん。そんな諦めが心に広がった。

顔を真っ赤にして立っているのがやっとな私を、
藤本さんは便座の上に座らせた。
「なにこんなトコロで勃ててるの? 」
乱暴に私のアレを掴んだ藤本さんに、氷のように冷たい目でそう言われると、
私は絶対自分は悪くないって頭ではわかっているのに、
もう心が縮み上がったみたいになって、涙目で「ごめんなさい」って
くり返すことしかできなかった。藤本さんはそんな私を鼻で笑いながら、
私のヒザの横にしゃがみ込んで片手で私のアレをこすり始めた。

藤本さんの手つきは一見乱暴そうに見えるのに、その指の腹は
ゾクッとするほど柔らかくて、そこでアレの胴体を擦り立てられると、
すぐに私はせっぱつまったトコロまで押し上げられてしまった。
だけど昇りつめそうになるとアレを握る藤本さんの指から力が抜ける。
そして今度は中指と人差し指の間で挟むようにして、先っぽの方を巧みな
緩急をつけて撫で始める。それでいっぱいいっぱいになったトコロで
また手が離される。私はもう藤本さんの指技の虜になって
その細かい動き一つ一つに完全に操られていた。
追い立てられては、止められ、また追い詰められる。
ずっと昇りつめる直前の状態なのに、最後のもう一押しの部分だけ
スルリとかわされてしまうのだ。じれったさの余り、もう私は何も
考えられずに、わけもわからなくなっている。
いつしか頭の中は最後までいくことしか考えられなくなっていた。

いつの間にか藤本さんは私の右側に回り、左手を私の左肩に回し、
右手で私のアレを握っていた。私は最後までして欲しくて、
すぐそばに迫った藤本さんの顔を必死で見つめた。
「いきたいの?」
藤本さんが氷のように冷たい目で私を見据える。私はまた自分の
いやらしさを責められているような気持ちになって消えてしまいたくなった。
でも私のいやらしいアレはどんな風に蔑まれても、収まりはしない。
萎縮する心と躯のうずきに板ばさみになりながらも、けっきょく私は
ただ何度もうなづき、涙をたたえた視線で懇願したのだった。
すると藤本さんはその左手で私の顔を自分の顔のそばに持ってきて
少しだけ笑い、やっと聞こえるような小さな声で耳元で囁いた
「いいよ」

その声を聴いた瞬間、私の心は蛇口が壊れたみたいになって、
熱い涙があとからあとから流れてきた。
そして藤本さんの手がリズミカルに緩急をつけて律動し始める。
(すごっ……ぃぃい)
その動きは上下のだけじゃなくて微妙に回転をが加えられていて、
私はその絶妙な動きら送り込まれるあまりの快感に、
真横にある藤本さんの顔に自分の鼻先を押し付けながら、
身悶えることしかできなかった。
焦らし抜かれた躯にはすぐに熱いものがかけ上がってくる。
快感はもう限界値まで来ていて、私はそれをおしっこを我慢する時
みたいな感覚でようやく堰き止めているだけの状態だった。
だけどそこにさらに加速した藤本さんの動きが加えられる。
「ダメッ! ダメッ! ダメッ!」
ついにそれは決壊した。
「あぁっ……!!」
つま先までつっぱって浮かした腰が大きく跳ねる。。
その瞬間、思わず大きな声を上げつつ、私は一気に昇り詰めてしまった。

体を貫いた快感に頭の中が真っ白になる。
全身に張り詰めていた緊張が一気に抜け、
私の体は蕩けたようになって藤本さんの背中に崩れ落ちてしまった。
ただ下半身だけはまだ熱く痺れていて、藤本さんの手がアレの中に
残った液を絞り出すみたいにゆっくりと上下する度に、
快感の余韻がジクンジクンと広がった。
涙と涎と鼻水でグシャグシャになった私の顔を
首から回した左手で自分の方に向けると、藤本さんは私にキスをした。
それはそれまでの藤本さんのいじわるな態度とはうってかわった
優しいキスだった。私の口の中を舐め回し、舌をからめとって
吸い立てる。こんな風に体も魂も溶かすようなキスをされると、
いじわるな藤本さんと今の藤本さんのどちらが本当に藤本さんなんだか
わからなくなってしまう。
気がつくと私はお母さんにおっぱいをもらう赤ちゃんのように、
夢中で差し出された藤本さんの舌を吸っていた。
ゆっくりと舌を引き抜き、藤本さんが顔を離す。
私は自分がそれを追うように名残惜しそうに舌をつき出していたことに
気付いて、また恥かしくなった。

藤本さんは自分の指についた私の白い液を舌で拭うと、その手を
私の前に差し出した。その指はスラリとしなやかに伸びていて
思わず見とれてしまうくらい綺麗だった。藤本さんの唾液がキラキラと
光っている。この指があんな風に私を気持ち良くしたのだと思うと
無性に愛しくなって、私は差し出された指を口に含み、
舌全体で指の腹の感触を味わいつつ、1本1本丁寧に舐めた。
それを藤本さんは満足そうに見下ろしていた。