2007年2月18日
【横アリ】あの転落事故のミニストーリーが完成した【落下】
1 名前:名無し募集中。。。 [] :2007/02/17(土) 23:34:52.04 0
「スターダストメモリー」上
静岡県の、とある障害者リハビリテーションセンター。
2人の壮年男性が喋っていた。
「ところで富士川、お前のベットの脇にあるフォトスタンドの写真は何だい?」
「いや、ちょっとした記念みたいなもんだ」
「ちょ、ちょっと待てよ。これ、人が耳から血を流して倒れてんじゃん!」
「そんな目で見るなよ。10年前、俺はアイドルのオッカケをやってたんだよ。
そう、アリーナの3階席ではしゃいじまって、手摺りを乗り越えてちまったんだ。
これは、そのとき落下して倒れた俺の姿さ」
「はしゃぎすぎて落下? 冗談せよ、富士川。
はしゃぐって行為は、ティーンだけに与えられる若者の特権だろ。
10年前でも35歳のお前が、どうやってアイドルのコンサートではしゃぎすぎて落下するんだよ」
「フフ…… それもそうだよな、ハハハ」
「アッハッハ」
「ハッハッハッハ」
しかし、病室の窓から横浜方面を見る富士川の瞳には
ある一日の光景が焼きついていた。
10年前の1月26日―
横浜アリーナに詰め掛けた、1万2000人のハロプロファン。
そこではあるアイドルの卒業式を翌日に控えた、重要なプレコンサートが行なわれていたという。
富士川は開演前から燃えた。
そして年甲斐も無くはしゃぎまわり、背面ロミオを披露しようとした刹那、4.5m下に頭部から落下した。
このダイブは「富士川35」と称され、そうして富士川はハロプロの伝説となった。
たいていの人間がモーヲタというものを知らないこの病院では、誰も富士川に気づかなかった。
しかし、小さな誇りと急性硬膜下血腫の後遺症で麻痺した左手とともに
今日も富士川は障害者としてリハビリに励んでいる。
2 名前:名無し募集中。。。 [] :2007/02/17(土) 23:35:19.12 0
「スターダストメモリー」下
「あらあら、また思い出話? それより着替えを持ってきたわ」
微笑みながら一人の女性が富士川のベッド脇にやって来た。
片手の不自由な富士川のために着替えを手伝う彼女の左手薬指には
富士川と揃いの指輪が光る。
「この人ったら、たまにお友達が尋ねてくるといつも昔のことばかりなの。
ごめんなさいね。誰も覚えていないアイドルの話なんて」
そう言いながらも、富士川への視線には隠しきれない愛情があふれている。
ふと私は、この女性にどこかで会ったような気がした。
富士川にはもったいないほどの色白美人。明るい笑顔。
そして・・・年齢の割りに極端に広い前頭部。
広いおでこを見つめる私の視線に気付いたのだろうか、
彼女は少し照れながら私のほうを振り返って自己紹介した。
「いつも主人がお世話になっております、富士川美海です」
─ 完 ─
12 名前:大の大人が名無しだなんて。。。 [] :2007/02/18(日) 00:08:23.01 O
上下はどうでもいい
それより前に用がある